株式会社トランテックス

これまでの歩み

2018年度に策定した中期経営計画では、持続的成長と事業基盤の強化を目指し、２拠点でのウイング生産体制の確立、小型トラックの拡販、グローバル展開、そして新商品の拡充という四つの成長戦略を掲げました。２拠点生産体制は順調に立ち上がり、古河工場の安定稼働によって本社工場とともに生産力の拡充を実現し、お客様の多様なニーズに迅速かつ柔軟に対応できる体制を整えました。また、小型トラックの販売拡大や海外市場への進出、新商品の開発・量産化など、多方面で大きな成果を収めることができました。コロナ禍や能登半島地震などの想定外の困難も経験しましたが、従業員一人ひとりの努力とチームワークによって乗り越え、現在の安定した事業基盤を築くことができたことは、私たちの大きな誇りであり、今後の成長への確かな土台となっています。さらに、社会的責任を果たす企業としての意識も高まり、地域社会や環境への貢献活動も着実に進めてまいりました。

次なる成長ステージへ

新たに策定した中期経営計画では、2030年までに持続的成長と社会貢献を両立する企業を目指しています。私たちは市場ニーズに応える生産体制をさらに強化し、高品質な商品を迅速かつ効率的に提供するとともに、お客様仕様にも柔軟に対応できる体制を整えていきます。挑戦と成長を継続し、設備投資や業務効率化を積極的に行い、企業基盤の強化につなげていきます。また、製品のライフサイクル全体でCO₂削減を推進するとともに、お客様の荷役事故防止や労災防止などの安全活動を通じて社会への貢献も積極的に進めていきます。従業員の働きやすさや健康の確保にも注力し、研修やキャリア開発を通じて個々の成長を支援していきます。これらの取り組みは、従業員一人ひとりのモチベーション向上と、組織全体の持続可能な成長を後押しする重要な基盤です。

本社工場では、労働環境の改善とともに、生産性向上および老朽化対策を目的として、シャシ架装工程の山島工場への移管を進め、2024年度に同工程の移管を完了しました。今後も工場再編を進めるため、山島工場を活用しながら更なる検討を進めていきます。また、休憩所や食堂等のリニューアルを順次進めることで、従業員が安心して働ける環境を整えていきます。古河工場では、新仕様や民需案件の取り込みにより生産能力を最大化し、原価低減活動を日野グループと連携して推進していきます。さらに、全社的な業務効率化や省人化を進めるため、デジタル技術やAIを活用し、迅速で柔軟な生産・営業体制を構築しています。これらの取り組みにより、安定した生産体制を維持しながら顧客期待に応え、収益基盤の強化も着実に図っています。加えて、全社的な環境配慮や安全・防火意識の向上を徹底することで、従業員や地域社会、さらには次世代にまで誇れる企業としての信頼を高めていきます。

2030年に向けた成長ビジョンと社会的使命

2019年度に生産台数のピークを迎えましたが、コロナ禍や日野自動車の認証不正問題により一時的に需要は減少しました。2024年度には業績を回復させ、2025年度からは事業再成長の第一ステップを開始しています。2030年には持続的成長と競争力強化を実現し、業界No.１の地位を確立することを目指しています。業界No.１を目指すという目標は、単なる売上やシェアの拡大だけでなく、社会的責任や環境への配慮、持続可能性の観点からもリーダーであり続けることを意味します。全従業員がこのビジョンを共有し日々の業務に反映させることで、お客様にとっての最良のパートナーとなり、業界全体の発展に寄与してまいります。

今後もお客様、仕入先様、地域社会の皆様とともに挑戦を続け、地域社会や次世代に誇れる企業として、より良い未来を創造するために、一層のご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げます。私たちは、これからも革新と挑戦を忘れず、従業員一人ひとりの成長と幸福を大切にしながら、社会に必要とされる企業として責任ある行動を続けてまいります。

株式会社トランテックス　代表取締役社長森　茂